分割インテインを用いた標的タンパク質結合ペプチドの探索

分割インテインのPTS反応により生成する酵素として、抗生物質カナマイシンの抗菌活性をなくすaminoglycoside phosphotransferase (APH)を用いると、PTS反応の進行で大腸菌が生育可能になります。ここで、インテインの分割位置を変えて、自発的な会合を抑制すると、PTS反応が進行しなくなります。この分割インテインに、相互作用するタンパク質とリガンドを配置することで、リガンド–タンパク質相互作用により、分割インテインが近接し、PTS反応が進行します。この系を利用して、ペプチドライブラリから、MDM2に結合するペプチドの探索を試みました（。カナマイシン含有寒天培地で培養し、得られたコロニーから、MDM2結合ペプチドを発現するクローンを得ることができました。得られたペプチドを化学合成し、MDM2との相互作用について調べた結果、MDM2に強く結合することが分かりました。そのうちの1つのペプチドは、細胞内に移行し、アポトーシスを誘導できることも示唆されました。